「……っ」
「俺は、家族愛も親子愛も、それに夫婦愛も。全部が崩壊していくのをこの目で見た。しかもさ、1番多感な時期にね。そのせいで、俺の中の“愛情”を司る部分だけ欠落しちゃったみたいなんだよ」
ははっと乾いた笑いが溢れてくる。
自分でも、何で今更こんなことを話してるんだろうっておかしくなってくる。
「今までは、生きていく上で大した問題じゃなかったんだ。別に、愛なんてなくてもいいって言う子達は沢山いたし、俺も敢えてそれがほしいとも思わなかった。だけど…」
まただ。
またあの声が聞こえてくる。
あの笑顔が浮かんでくる。
“悠太先輩!!大好きです!!”
あの言葉がいつも、俺の中の何かを揺さぶってくるんだ。
「ピヨちゃんは、彼女そのものが愛情の塊みたいに……俺にぶつかってくるから……」
今になって知る。
愛されることが、こんなにも心地いいものなんだって。
愛され方を教えてくれたのは、紛れもなく彼女だ。
そして、そんな彼女を俺も愛せたらって……。



