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「なんなのあの子っ!」
ピヨちゃんが去って行った方を睨み付け、憤慨する彼女を尻目に、俺は地面に目を落とす。
俺に対してあんな様子のピヨちゃん、初めて見たな……。
ポツリとそんなことを思う。
普段ヘラヘラヘラヘラしてるのに、あんな強気な顔も見せるのか。
強く澄んだ瞳に、真っ赤になった肌。
下唇を噛み締めて、真っ直ぐ向けられたその視線が目に焼き付いて離れない。
「悠太。あの子達行っちゃったし、ここでいいよね?」
そう言って俺の首に腕を絡みつけ、キスをしてくる彼女。
……名前、何だっけ?
舌を絡ませながら、ぼんやりとそんなことを思う。
あのクリスマスの日以来、俺は女遊びを再開した。
別に欲求不満解消の為とか、そんなんじゃない。
ただ、ピヨちゃんのことばかり考えるのが苦痛だったから。
ピヨちゃんに出逢う前の俺に戻りたかったから。
ただそれだけ。
それなのに……。
「……?悠太?」
「…ごめん。今日はやめとく」
額を押さえ、離れる俺に驚いた様子の彼女。
俺は、構わず階段を下りていく。
「ちょ…!悠太!?」
そう呼び止める彼女を無視して。



