階段を下りている最中聞こえてきたのは、
「なんなのあの子っ!」
と憤慨する女子の声だけ。
–––––
「陽伊代!陽伊代!!」
しーちゃんの呼びかけに、ようやく足を止めたのは教室の前。
私はゆっくりその呼びかけに振り向く。
「……酷い顔ね…」
「……っ…うっ……しーちゃ……」
堪えきれず出てくる涙は、もう私にはどうしようもなくて、
ただただ苦しくて、
こんな気持ちから解放されたくて、
私は、しーちゃんにすがるように抱きついた。
そんな私の頭をしーちゃんがあやすように優しく撫でてくれる。
「陽伊代の気持ちは分かったよ。よく分かった。だから、安心して今はめいっぱい泣きな」
「……うぅ〜っ……」
そんな私としーちゃんのやり取りをなんだなんだとみんなが見ている。
そこにはきっと友野姿もあった。
だけど私は、しーちゃんの胸の中でわんわん泣き続けた。



