「それでも陽伊代は?東阪先輩を好き?」
「私は……」
「やだー!キャハハ!悠太のバカー!」
甲高い声のする方に目を向ければ、
「……っ」
そこには、女子に腕を組まれ、何か話をしながら階段を上ってくる……悠太先輩の姿。
悠太先輩は、私の存在に気がついたにも関わらず、顔色ひとつ変えない。
「あれー?先約ー?どうする?悠太ぁ」
悠太先輩の腕に纏わりつく女子が、不満そうに眉をひそめる。
「違うとこ行こっか。人がいなくて寒くなきゃどこでもいいでしょ」
まるで私なんて見えていないみたいに、そう言って笑い、階段を下りていこうとする悠太先輩。
また……始めたんだ。
女遊び。
そんな作り笑顔を貼り付けてでも、悠太先輩はそんな人達といる方が楽だっていうの?
バカじゃないの?
––––––それならもう勝手にすればいい。
「待ってくださいっ!!!!」
私の声に驚いたようにふたりが振り向く。
「私達が退きますからっ!!どうぞご自由にっ!!!!」
「……なっ!」
私はしーちゃんの腕を掴むと、そのままズカズカと悠太先輩の横を通り過ぎる。



