「ピヨちゃん。悪いけど、俺は当て馬になるのなんてごめんなんだ。
よくあるだろ?ドラマや漫画で、最初は先輩に憧れていた主人公が、いつも相談に乗ってくれていた子にどんどん惹かれていって、先輩は主人公を好きになるのに、結局最後は、先輩が背中を押して主人公とその子をハッピーエンドに導く」
悠太先輩は、また真っ直ぐ私を見つめると、
「ごめんね。俺はそんなにいいやつじゃないよ」
そう言って苦笑した。
私達を乗せた観覧車は、いつの間にか頂上を越えて元の場所へと下っていく。
乗ったばかりの時は、あんなに楽しかったのに……。
ううん。
今日1日本当に本当に楽しかったのに……。
今、全てが終わろうとしている。
「だからピヨちゃん。もう俺に二度と付き纏わないで」
残酷な言葉と共に–––––。
–––––––––
「……雪だ……」
それに気が付いたのは、駅から自宅までの道中。
「どうりで寒いわけだ……」
街灯が照らす部分だけ、真っ白なそれがひらひらと舞うのが見える。
正直、私はどうやってここまで来たのか、自分でもよく分かっていなかった。



