––––––コンコン
「悠太……先輩?」
しーちゃんと友野が出て行った扉とは反対の扉から、開いた扉の縁に手をかけて、こちらを見ている悠太先輩の姿。
ノックをしたのはどうやら悠太先輩らしい。
「いつからそこに……?」
「最初から。うちのクラスのHR早く終わってさ」
ということは、一部始終見られてた……?
悠太先輩は、スタスタと何事もなかったかのように私の前までやってくると、
「手出して」
「?」
キュキュキュッとマジックで私の手に何かを書いた。
“10時。○○駅の西口改札前”
「これ……!」
「明日の待ち合わせ伝えに来たんだけど、今のピヨちゃん、どうせ口で言ったって覚えられないでしょ?」
「……っ!」
やっぱり、聞いてたんだ。
「先輩……あのっ…」
「明日」
「え?」
「明日は楽しも?」
悠太先輩は少し首を傾げて、優しい笑みを浮かべながらそう言う。
その様子を見て、私は内心ホッとしていた。
ついこの間までの先輩なら、こんな所を目撃したら、絶対に友野を選べと言っていたから。



