悠太先輩が私なんか見ていなくても、私は悠太先輩を見ていた。
それがどんな気持ちか、どれだけ本気か、私なら分かる。
「あたしは、誰かひとりを応援するつもりなんてないの。だって、これは陽伊代の人生だから。陽伊代が決めることだもん。だけど……
友野なら間違いなく陽伊代を幸せにしてくれる」
そう言うと、真面目だったしーちゃんの顔が一変。
「ちょっと幼馴染のひいき目入ってるけどね」
と言って緩く笑みを浮かべた。
そして、私の頭に手を置くと、
「陽伊代の思うようにしなさい。友野のフォローはあたしがしてやるから。陽伊代は陽伊代らしくちゃんと考えて答えを出して」
そう言って、私の頭に乗せた手をポンポンとすると、そのまま離れ、教室を出て行った。
きっとしーちゃん、友野の所に行くんだ。
教室にひとり、取り残されると同時にやってくる虚しさ。
私、バカだ。大バカだ。
何であんなに側にいたのに、気付かなかったんだ。
気付いていたら、もしかしたらこんなことにならなくて済んだかもしれないのに。
どうすればいいの?
友野の気持ちには応えられない。
だけど、友野を失いたくはない。



