「間違い?俺は間違いなく言ったよ。ピヨちゃんが特別な子だって。それともピヨちゃんは他の男の特別になりたいの?」
他の男!?!?
「そ…っ!そんなわけ、ないじゃないですか!!」
他の男なんかに目もくれたことないよ!!
「それならいい加減……」
カシャンと音を立てたのは、歩道脇のフェンス。
先輩がそこに手をついて、私は先輩とフェンスの間に挟まれた。
「しっぽ振るのは、俺だけにしてよ」
先輩の綺麗な瞳が、真っ直ぐに私を捉える。
先輩越しに、私達をチラチラ見ながら通り過ぎていく通行人が見えて、
そうだ!ここ歩道だったなぁ〜!
なんて思考を逸らせてみたり。
だけど、作戦失敗。
やっぱりどう考えても、
悠太先輩が近いっ!!!
「せ……先輩。ひ、人が……」
「“はい”は?」
「は、はははははいっ!!」
悠太先輩は小さくひとつため息をつく。
納得、してくれたのたのかな?
私、悠太先輩以外にしっぽを振った覚えなんて一度もないんだけどな。
一体何のことを言ってるのか……それも分かってないのに返事をしてしまったんだけど。



