「絢先輩は……悠太先輩のこと……その…男の人として好き……とかでは……?」
「あるわけないじゃん!!!!あたしの好み、色黒で腹筋バッキバキの上腕二等筋ムッキムキだよ!?!?」
それは……なかなかマニアックな……。
色白でほどほどの細マッチョの悠太先輩では到底満たされない好みだ。
「じゃあ、高梨先輩の言っていたことは嘘だったということですよね?」
“あのふたりは、初恋同士で特別な存在”
高梨先輩は、そう言ってた。
高梨先輩は、目を上にあげて何かを考えている仕草。
それから私に目を戻すと、私にそっと耳打ちをする。
“嘘はそこの部分だけだけどね”
そう言ってウインクしてみせる高梨先輩。
私は、あ。と思った。
_______「高梨先輩は……絢先輩を?」
______「うん。好き」
そこだけは、嘘じゃなかったんだ。
なんだか凄く、ホッとした。
「私、ふたりには感謝してます。きっと、ふたりが引っ掻き回してくれなかったら、悠太先輩を好きでいられなくなる日が来るなんて、考えもしなかった。ただ、自分勝手に気持ちを伝えて、それで満足してしまっていたかも……」
「ひよこちゃん……」



