『実は、今日は渾身の出来なんですよ!見てください!』
『え。ここで開けるの?』
ぱかっと開けたお弁当箱の中には、大きなハートマークの中に先輩への愛の言葉を綴った
“す き♡”
と言う文字。
『えへへ!今日はこんな告白にしてみました♡』
『………………あ。俺、もう今日の昼飯買っちゃったんだった。ごめんね。気持ちだけもらっておくよ。ありがとう』
そう言って逃げるように私の前を去っていく悠太先輩。
–––––
「こっわ!やめろその弁当!朝からホラーだわ!」
「え!?なんで!?愛妻弁当っていったらそれでしょ!?」
苦虫を噛み潰したような顔でドン引きするしーちゃんに、首を傾げる私。
愛妻弁当って憧れてたんだもん!
お弁当開けたら愛の言葉とか!
私なら幸せ過ぎて死んじゃう♡
「で、結局その弁当はどうしたの?」
「友野にあげた」
「……あんた鬼か。ドロドロ過ぎんだろ」
しーちゃんが何を言いたいのかはよく分からないけど、とにかく私が言いたいのは、
「悠太先輩。私への態度が変わらな過ぎるんだよね……。もし本当に特別だと思ってくれてるのなら、もっと……何かこう……」



