絢先輩はククッと喉を鳴らして笑う。
「悠太の小さい頃は家政婦さんも雇ってたみたいなんだけど、悠太が女性アレルギーになった時期があったでしょ?それから、雇わなくなって……で、あたしが代わりに手伝いに来るはめになるっていう」
「最悪でしょ?」と言って絢先輩は笑うけど、絢先輩はちっともそんな風には思っていない感じだった。
それを見て、ふとある嫌な予感が過ぎる。
もしかして……まだ絢さんは悠太先輩のことを好きなんじゃないだろうか?
ドクンと心臓が嫌な音を立てる。
だってそんなの……。
「悠太ー入るよー」
悠太先輩の部屋のドアをノックもせずに開ける絢先輩。
ズカズカと入って行く絢先輩の後ろから、
「お邪魔します」
と小さな声で言って、おずおずとついて行く私。
わ!!
悠太先輩の部屋は、男の人の部屋とは思えないほど片付いていて、さっきまで通ってきた場所とは違う優しい匂いがした。
これ!
悠太先輩の匂いだ!!
男の人の部屋って、こんなにいい匂いがするものなの??



