もしかして、もしかしなくとも、悠太先輩っておぼっちゃまくんなんじゃないの!?
そんなお家の事情すら今日知った私に、
やっぱり、悠太先輩のこと何も知らないじゃないか……。
と、また溜息が漏れてくる。
何で学校という所は、訳のわからない難しいことばっかり教えて、肝心なことを教えてくれないんだろう?
“恋はまず、相手を知る所から始めましょう”
そう誰かが教えてくれていたら、こんな惨めな気持ちになんかならなくて済んだかもしれないのに……。
なんて、いつも自分勝手に突っ走ってたのは私だけどさ?
目の前にいる悠太先輩しか見ていなかったのは私なんだけどさ……。
「私、本当にヒヨコじゃん……」
卵がかえってまず初めに見たものを、親と思ってひたすら追っかけ回す…アレね。
「あれ!?ヒヨコちゃん!?」
は!しまった!
ヒヨコの国に連れて行かれるところだった‼︎
人んちの前で頭を抱えて踞り、完全に不審者だった私を呼んだのは、サラサラのストレートヘアをなびかせながら駆け寄ってくる絢先輩だ。



