だけど悠太先輩は、本気になったことがある……?
しかも、本気にさせたのは…絢先輩…?
「……っ!」
「ちょ!?ヒヨコちゃんどこ行くの!?」突然駆け出した私を、慌てて呼び止める高梨先輩。
「私っ…行かなくちゃ…っ」
「え!?行くって授業は…!?あ、ちょっと!」
高梨先輩の呼び止める声も虚しく、バタバタと下駄箱で靴に履き替えた私は、
登校してくる生徒達が驚いた様子で私を振り返る中、その横を猛スピードで逆走し、学校を後にした。
そんな私の背中を見送る高梨先輩が、
–––––「ちょっと、やり過ぎたかな…」
そう呟いているとは知らずに–––––。
***
「はぁ……はぁ……」
う…気持ち悪っ。
だめだっ。完全に運動不足っ。
相変わらずのダメ走りっぷりで、ようやく到着したのは……
「“東阪”……ここだよね」
悠太先輩の家の前。
表札を確認して、顔を上げれば、
「大きすぎるでしょ。コレ…」
ここは欧米か!?ってほど敷地の広い豪邸を前に愕然とする。



