文字通り意地悪な笑みを浮かべながら、
「ごめんね」
と悪びれる様子もなく謝る悠太先輩。
私はまだ頭の中が真っ白で、それをどう受け止めたらいいのか分からない。
「でも、ピヨちゃんも悪い。
ピヨちゃんは油断しすぎ。時々本気でどうにかしてやりたくなる」
少し苦しそうな表情を浮かべて苦笑する先輩に、
どうにかって…何ですか?
そう聞きたいけど、言葉が出てこない。
悠太先輩は、一度ゴホゴホッと咳をすると、
「寒いから帰る。ピヨちゃんも気を付けてね」
そう言って、駅の方に消えて行った。
しばらく先輩が去って行った方を見ていた私は、突然身体の力が抜けてその場にへたり込む。
何だったのあれ!
何だったのあれ!
何だったのあれ!!
答えの出ない疑問で頭の中が埋め尽くされて、火照った身体が冷める頃には、
「あ。結局なんも悠太先輩の事分からなかった」
結局、目的は少しも達成出来ていない事に気付くのだった。



