これは、私が悠太先輩に初めて告白した時に悠太先輩が言った言葉。
すぐに付き合えるだなんてさらさら思っていなかったけれど、ただ知ってもらいたかった。
私が悠太先輩を好きだという事。
ちゃんと伝えておきたかったから、意を決してした告白。
まさか、二度と近づく事を禁止されるなんて思ってもみなかった私は、悠太先輩が立ち去った後、その場から動く事が出来ないくらい、告白した事を後悔した。
「それを聞いた時に分かったの。悠太の傷は少しも癒えていなかったんだって。癒えるどころか深い傷跡を残して、今でも悠太を苦しめてる…」
授業が始まっているせいか、廊下を歩く生徒達の足音も消えて、私達三人のいる教室はシーンという音が聞こえるほど静かだ。
聞こえるのは、自分の息遣いと低く響く心臓の音。
「悠太はきっと、今でも女の人が怖いんだと思う。女の人と深く関わるのが…怖いの」
そうか…
だから、悠太先輩は…
「…だから悠太先輩は、本気で自分を好きな子は遠ざけて、自分に深くは関わってこない遊べるだけで満足な子達を選ぶんですね」
その方が楽だから…。
深く関わらなければ、傷つけられる事もない。
距離さえ間違えなければ、傷つく事もない。



