「……っ」
境遇は違えども、大切な人を失う辛さを私は知っている。
だからこそ、悠太先輩の心の傷が、痛いほど理解出来て…。
それが、裏切りまでも伴うものだと思うと、胸が苦しくて息が出来なくなる。
「それからしばらくして、中学生になる頃には悠太も少し口をきいてくれるようになって。あたしは、悠太の傷が少しずつだけど癒えているのだとばかり思ってたの。でも、それはあたしの勝手な思い込みだった…」
絢先輩は、小さくため息を吐くと苦しそうに顔を顰める。
「悠太は、女子達に愛想良く振舞うようになって…まぁ元々があの容姿だから?すぐに校内のアイドル的存在になったけど、女子達と接する悠太はいつもどこか目の奥が冷たかった」
絢先輩の言うその目を、私は知ってる…。
「そのうち悠太は、軽い気持ちで近づいてくる女子達をとっかえひっかえして遊ぶようになった。だけど、本気で近づいてくる女子達は冷たく突き放すの。そうすればさ、悠太の周りには必然的にどうしようもない子達ばっかりになって…。
岸中みたいのなんてさ、あたし何人も見てきたよ」



