少しずつだけど、悠太先輩の“特別”に近付いてるのかなって…。
だけど……。
「ヒヨコちゃん。何で悠太が女遊びばっかして、本気で付き合ったりしないか知ってる?」
「いえ…?」
絢先輩の問いかけに、私は首を傾げる。
そういえば、考えた事もなかった。
私の知っている悠太先輩は、出逢った時から悠太先輩で。
女遊びはセットで悠太先輩で…。
いや、それもどうかと思うんだけど、
きっと、これが悠太先輩なんだろうなって。
本気で人を好きになれた事がないだけなんだろうなって。
だったら、私が本気にさせればいい!なんて。
その程度にしか考えた事がなくて。
時々悠太先輩が見せる、寂しげな表情も見て見ぬふりをしてしまってた。
だってさ?
私が詮索した所で、悠太先輩がその表情の理由を教えてくれるとは思えないし。
むしろ、間違いなく突き放されてしまうし。
私が、悠太先輩の心の奥深くに、立ち入っていい立場じゃないっていう自覚だけはあった。
普段これでもかってくらい図々しいのに、こういう所はチキンハートなんだよ。私。
自分でも嫌になるくらい。



