「それでも凄いよ!悠太は自分に本気で気がある子はとことん突き放すのよ?挨拶だってしてもらえない子が沢山いるのに!」
絢先輩の話を聞いて、“そう言えば最初の頃私もそうだったな”と思い返す。
挨拶どころか、目も合わせてもらえなかったし。
入学式の日の悠太先輩の印象が強かった私は、そのギャップに何度も心が折れそうになったっけ。
何度も告白なんてしなければ良かったって後悔した。
悠太先輩と出逢ったあの日。
あれは、幻だったのかも…なんて。
そう言い聞かせようとした事もあった。
だけど、私にとって悠太先輩が踏み出させてくれたあの一歩を、“幻”なんて言葉で片付けられるわけがなくって…。
だから、煙たがられても嫌われても、悠太先輩に私の気持ちを知ってもらいたいと思った。
どんなに酷くあしらわれても、毎日“好き”って伝えに言った。
そうしたら段々と目を合わせてくれるようになって、言葉を発してくれるようになって、会話が出来るようになって、笑ってくれるようになって。
きっと少しずつだけど、私の気持ちが悠太先輩に染み込んでいってるんだなって思っていたんだ…。



