悲鳴をあげそうになる岸中先輩の気持ちが、少しだけ分かる気がした。
だって、この高梨って言う人…目の奥がもの凄く冷たい…!!!
南極!
ここは南極大陸ですか!?
ってくらい、見てるこっちが氷つく。
「関係なくないよね?
俺の大切な子達にちょっかいかけたら、俺、何するか分からないよ?」
岸中先輩の耳元に顔を近付けて、そう言う彼の迫力は半端なものではなくて、絶対零度のその空気に、なんだなんだと周りには野次馬が集まって来る。
「わ…分かったわよっ!!」
この状況に耐えきれなくなったのか、岸中先輩は目に涙を溜めたまま、その場を走り去って行った。
何だかどこまでも…
「どこまでも可哀想な人」
「!!」
「ね?」
そう言って私に笑顔を向ける天使な彼女。
私もつられて笑顔になる。
「もー。絢っぺ血の気多過ぎ!こっちがハラハラすんじゃんかー。あ。かわい子ちゃんも大丈夫だった?」
「周。この手離しなさい」
天使さんと私に回していた手を抓られ、痛みに悶える南極さん。
あ。何かもう名前がわけ分からなくなってきた。



