そんな友野の様子なんかお構いなしに、しーちゃんは友野の脇腹を小突きながら、なんとも意地の悪い顔でニヤニヤしている。
「別に根にもってなんかねーよ!」
「へー?そーお?東阪先輩と走った後、バトン叩きつけてたの誰だったっけ?」
「叩きつけてねぇっ!あれは、手滑って落としたんだよ!」
友野はそう言うけど、間違いなくあれは叩きつけてたよね。
でも、友野の気持ちもよく分かる。
普段あんなに練習してて、陸上部の期待の星の友野が、あんなに追い詰められるなんて…。
きっと、私が友野の立場でも相当悔しいと思う。
でもあれは、悠太先輩が異常なんだよ。
あんな才能があるのに、スポーツなんて全くやりたがらないんだから、宝の持ち腐れってこういう事を言うんだろう。
だからこそ、友野は余計に腹が立つよね。
ちゃんと応援してあげられなくてすまん!友野!!
「でもさ、あの後の決勝も勝って、結果優勝だよ!?全クラス1位とか、ホント凄いよね!」
罪悪感も相まって、しーちゃんから攻撃を受ける友野のフォローを試みれば、
「決勝見てねぇくせによく言うよ」
と、友野に鋭いツッコミを入れられて、墓穴を掘った形になってしまった。



