「あの人、凄い美人だね。それなのに運動神経もいいんだ」


「そうだね…。ん?あれ?」



そういえばあの人…。



この前の中間テストの1日目。


悠太先輩を放課後待ち伏せた時に一緒にいた美人さんだ。


確か名前は何ていったかな?


まや?

かや?

んー何かしっくりこない!


「アヤ!いけーーっ!!!」


そうそう!あや!


絢さんだ!!


「あぁっ!抜かれた!!」


「えっ!?」


そんな事を考えている間に、いつの間にか順位が入れ替わっていた。


バトンが渡る直前に、絢さんが野嶋さんを抜いたんだ。


「野嶋っちよく頑張った!!!頼んだぞ!瀬尾!!!」


「しーちゃん…なんだかんだ楽しんでるよね」


「だまれ。あんたもシッカリ応援しなさいよ!次、友野だよ!」


瀬尾君は、安定の走りで2位をキープ。


だけど、1位を取り戻すのは難しそう…。


こうなったら、友野に託すしかないか…–––


そう思った刹那


「あぁっ!!!」


首位を独走していた先輩のクラスの男子が、まさかの転倒。