遠くで、ピストルの音が鳴る。 第一走者が一斉にスタートした。 「理屈じゃないのよ。きっと、応援しようとしなくたって応援しちゃう。ダメだと分かってても好きになっちゃうのと一緒でね。 …違う?」 ニヤリと私を見るしーちゃん。 「…うん。そうだね」 しーちゃんの言う通りだ。 きっと私はそうしてしまう。 頭では分かっていても、心には嘘が付けない。 ダメだと分かっていても、悠太先輩に恋してしまったように–––––