「……る」
「え?」
「…くれる?ご褒美。もし俺が、リレーに参加したら」
「…先輩が……リレーに……?」
大きな目を更に見開いて、ピヨちゃんは俺を凝視する。
俺はそんなピヨちゃんを真っ直ぐと見詰めていた。
「……も……」
「も?」
「もちろんですっ!!!」
堰を切ったように、目を輝かせながら俺に迫るピヨちゃん。
「ご褒美でもっ!何でもっ!いくらでもっ!」
そんなピヨちゃんの迫力に、言ったこっちが驚く羽目になったもんだから、何だか可笑しくなって笑っしまった。
何でこんな面倒な事になったのか。
俺は一体、何と張り合っているのか。
やる気なんてさらさらないはずなのに、なぜか灯った闘争心。
嬉しそうに頬を染めるピヨちゃんを見ながら、俺はその答えを探していた。
*
「悠太が走るとか信じられないんだけど!」
各クラスのリレーの選手が集まり始める中、
靴紐を結び直してる俺を見下ろしながら、リレーの選手に指名しやがった張本人、周こと高梨 周也(タカナシ シュウヤ)が満足そうに俺を眺めていた。



