「もともと中学から一緒のヤツにはめられたんだよ。中学の時、3年間リレーの選手だったのバラされて、クラスの奴らに勝手にチームに入れられてさ。無理矢理とか、出る義理ないでしょ?俺が出なきゃそいつが出るらしいし」
「ほぇー!先輩は中学の時から足が速かったんですね!何かやっぱり先輩は凄いです!きっとその人も、先輩が走る所をまた見たかったんですね!」
「ヤダよ。見せ物になるなんて、俺はごめんだね」
「そうですよね。ただでさえ普段注目の的ですもんねぇ…」
別に、俺は好きで注目されてるわけじゃないんだ。
俺は本来一人でいるのが好きだし、人と関わるのもあまり得意な方じゃない。
それを表に出さず、そつなくこなす事は出来ても、根本的な所は何も変わらない。
女子に囲まれたり、執拗に迫られたり、好奇の目で見られたり、
そういうのはいくら経験を積み重ねようとも、慣れるものではないんだ。
その場しのぎの対応で、直ぐさまその場を切り抜けるしかない。
波風立てないよう、いたってスマートに。
そうしていたら、いつの間にかつまらない時間だけが積もっていた。
どうでもいい子達とのどうでもいいやり取り。
ただイチャついて、お互いの生理的な欲を満たすだけのどうでもいい時間。



