「先輩は体育祭、参加しないんですか?」
薬品棚に救護セットを戻していると、
開けたままのカーテンの奥で、まだベッドの上で膝をさすっているピヨちゃんがそう問いかけてくる。
「しないよ。あんまり多勢でワイワイやるの、得意じゃないんだよね」
「あー…ふふっ。何だか分かる気がします」
「何笑ってるの」
「いや、何か先輩っポイなぁ…って」
クスクス笑ってるピヨちゃん。
俺っぽいってなんだよ…。
そう心の中で一人ごちる。
「先輩は、何の種目に参加する予定だったんですか?」
「んー…なんだっけ?徒競走と騎馬戦?あー、後クラス対抗リレー」
「クラス対抗リレー!?先輩、リレーの選手なんですか!?」
ベッドまで戻った俺に飛びつくように身を乗り出してくるピヨちゃん。
あまりの迫力に、さすがの俺も思わずたじたじだ。
「みたいだね。」
そう言って俺は、ベッドの端に腰をかける。
ベッドがギシッと軋んだ。
「“みたいだね。”って先輩ぃ…。先輩のリレー、すごく見たかったですよぉ」
「残念すぎる〜」と言って項垂れてるピヨちゃん。
そんな落ち込むことか?



