「先生ヒドイですよ!!1、2学期だけで判断するなんて早過ぎます!!まだ3学期だってあるのに!!」


「アホかお前はっ!!進学校なめんなよ!!お前の1学期の成績が、それくらい絶望的だったって事だ!!」


「…あれは…ね。ホラ。風邪引いてたんですよ。風邪…」


「それはお前、中間も期末も全教科赤点だった奴が使える言い訳じゃねぇ」


ピシャリとそう言われ、私は鼓膜の震えた耳をさすりながら下唇を出す。


「そんなアホな顔してもダメ。
いいか?今度の中間は、全教科50点以上だ。それが無理なら、来年金森と友野はお前の先輩になるな」


いやぁぁぁぁ(泣)


「そんな!先生!私に死ねって事ですか!?」


「いっぺん死ぬぐらい勉強してみろや。」


ドイヒッ!

ドイヒーだよこの教師!

ゴリラじゃなくて悪魔だよ!



「大体なぁ。お前の大好きな東阪なんて、この前の模試で全国トップ10入りだぞ」


先生の口から思わぬ人の名前が出てきて、犬のようにシュンと垂れ下がっていた耳がピンッ!と立つ。



先生の口から悠太先輩の名前が出るのもそのはず。


私が悠太先輩を追っかけ回す犬なのは、どうやら先生の間でも有名な話らしい。