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鼻を掠める薬品の香り。
仰向けになり、これまた薬品臭いベッドの上に大の字になりながら、無機質で真っ白で何も面白味のない天井をただただ眺めていた。
時折、換気の為に開け放たれた窓の外から聞こえてくる生徒達の歓声に、
今頃プログラム5番くらいかな…
なんて、酷く他人事のように思えてくる。
保健の先生は、みんな救護テントの方に出払っているのか、俺が来た時には保健室は既にもぬけの殻だった。
まぁ、それを知ってて、サボる為にここに来たんだけど…。
あー面倒臭い。
誰だよ体育祭なんて作ったやつ。
作るのも開催するのも構わないけど、せめて自由参加にしてくれればいいのに。
俺は深くため息をついて、一眠りしようと目を瞑る。
だけど、さっきから一向に眠れやしない。
目を瞑れば、瞼の裏にある子の顔がチラつくからだ。
毎日毎日、俺の前に現れて、
好きだの付き合えだのと言ってくる。
フっても突き放しても、離れようとしないのに、近付けば直ぐに頬を赤らめて…。
“鬱陶しい”
正直、始めはそうとしか思わなかった。



