悠太先輩は大きなため息をつきながら、前髪をクシャッとかきあげて、
「俺。ピヨちゃんにだけは、手を出せないや」
そう言った。
悠太先輩の瞳は、どこか遠くを写していて…。
––––––ズキン
なんだか、胸の奥が痛かった。
突き放されてしまった…。
近づけたと思えば、また遠く離れていく。
軽い気持ちで寄ってくる人達に拒絶はしないのに、本気で先輩の側で寄り添いたい人達には拒絶を示す先輩。
まるで、自分の中に深く入ろうとする者を拒むかのように…。
先輩は、何でそんなに寂しい事をするんだろう?
「行け!友野ーーーーーーーーー!!」
あ!
忘れてた!(←ひどい)
私、友野の応援に来たんだった!
急いでグラウンドに目を戻せば、ダントツ1位で駆け抜ける友野の姿があって、
「友野っ!その調子っ!頑張れーーーっ!!!」
思わず私も興奮して叫んでしまった。
うん!
やっぱり友野は、走ってる時だけは輝いてる!
いつもより3割り増しはカッコ良く見えるよ!
「へぇ。友野君ホント足速いんだね」



