「ヤキモチ、妬いちゃった?」
ニヤリと笑ってみせる悠太先輩。
「やっ…妬いてません…っ!!」
「ピヨちゃんにもしてあげよっか?」
「なっ…!!」
私の顎に手を添えて、口元に笑みを浮かべながら、悠太先輩は顔を近づけてくる。
この間、悠太先輩が1人で作業をしてくれていると分かった日、教室で2人、何だか妙な雰囲気になった時の事を思い出す。
あの時、もし友野が教室に入って来なかったらどうなってたんだろ…。
悠太先輩が、私にあんな顔をするなんて…初めての事だった。
って!
何で今そんな事思い出すの!?
回想してる場合かっ‼︎
それなのに…
あ。だめだ。
思い出したら、顔がみるみる熱くなってくる。
私が欲しいのは、こんなのじゃないのにっ…!!
震える唇を噛み締めて、ギュウッと目をつむれば、遠くで徒競走のスタートを伝えるピストルの音が聞こえてくる。
「ふ。冗談だよ」
「…へ?」
恐る恐る目を開けると、なんだか寂しそうな表情で微笑む悠太先輩の姿がそこにあって…。



