遠まわりの糸

そんな葵の顔をみたら、思わず笑ってしまった。


「ほら、やっぱり笑ったじゃない」


「ちがうちがう、葵が照れて顔が赤くなってるのがかわいくて」


そっぽを向いた葵の頬に、キスをした。


「もう、キスしてごまかさないでよ」


「かわいいからキスしたいんだよ」


「そんなの、ずるい」


「ずるくてもいいだろ」



キスをするたびに、手をつなぐたびに、抱きしめるたびに。


俺は、葵への想いが強くなる。


遠まわりして、やっぱり巡りあった俺たちだから。


もう二度と、葵のことを離したりしない。



「葵、ずっとそばにいろよ」


「うん」



クリスマスイブの夜は、少しずつ更けてゆく。


俺たちは一生、今日のことを忘れない。


遠まわりしたけど、俺と葵は運命の赤い糸で結ばれていたんだよな。


俺の隣で微笑む葵をみて、俺は誓った。


『葵と一緒に、幸せになる』




○o。.fin.。o○