冷徹社長の秘密〜彼が社長を脱いだなら〜

今日から私は新しい職場で働く。ショップは、三宅さんが辞めて、今はみゆちゃんが店長。三宅さんの送別会ではみんなで大号泣。


諒の計らいで高級ホテルで一泊させてもらったけれど、朝まで話と涙は尽きることがなかった。


あの送別会からすぐ三宅さんは大阪に行き、この秋に結婚式を挙げる。もちろん、私も諒も招待されているから楽しみで仕方ない。


マスコミは連日、新生ジョルフェムを伝えている。ことねちゃん効果で中高生にジョルフェムは今でも絶大なる人気を集めていた。


「それにしても、あの専務と娘さんもっと何かしてくるかと思ったけれど、あれっきり音沙汰なかったね。しかも解雇されて逆恨みしてくる気配もないし」


「ああ。まあ相手がぐうの音も出ないくらい、懲らしめてやったからな。もし、何かして来ても対処できるくらい俺に勝算があったということだ」


私が作った朝ごはんを食べながら、そんなことを話す。詳しくは教えてくれなかったけれど、諒が私と再会してからも冷徹社長を続けていたことはその証拠集めだとか。


「これこそが本当に正真正銘の『冷徹社長の秘密』ということだ」


そう意地悪く笑って話す諒こそ、実は一番、敵に回してはいけない恐ろしき支配者だった。