冷徹社長の秘密〜彼が社長を脱いだなら〜

諒はその後、すぐに電話が掛かってきて、ここを後にすることになったけれど、一瞬だけ目が合って「良かったな」と言ってくれた。


みゆちゃんとは人目を盗んでレジカウンターの下でハイタッチ。今日はここに来て初めて嬉しいと思えた日になった。


その日、私は休憩時間にサロペットを買いに行った。後、ついでに丸メガネも。そういえば、自然とジョルフェムに合うような服装を心掛けていたけれどと思ったのは、あのお客様と話して思ったこと。


でも、確かにジョルフェムはフェミニン系と思われて入りにくいと思われているのなら私が変えてみよう。


そう思って、帰ってきて明日着て行くために試しに着ていると諒が帰ってきた。



「・・・ど、どうしたんだ?その格好」


「変ですかね?私的にはありかなと思って」

「新鮮だし、可愛いとは思うがまさかお前、その格好で明日、販売に立つつもりじゃないだろうな?」


「もちろん、そのつもりですよ。ジョルフェムはカジュアルな服装にも合うということを分かってもらうためにはこれが一番かなと。ほら見てください。このバッグにもぴったりですよ」


「却下。まず丸メガネはない。それは絶対にアウトだ。あと、譲りに譲ってサロペットはいいがトップスはジョルフェム寄りのフェミニンなものにしろ。うちのカラーに合わせることも大切だ。それならサロペットは許す」


「確かに。今日のお客様の格好をそのまましていてもジョルフェムらしさが欠けちゃいますもんね。それにしても、私のためと言いつつ、諒もジョルフェムを愛してますよね!」


「言っただろ?お前の好きなものは俺も好きだと。まあ一番はお前だけどな」


「私も、一番は諒です。ああっ、ジョルフェムは二番になっちゃった。責任取ってくれますか?」


「当たり前だ。最初からそのつもりだ」


諒のことが好き。あんなにも大好きなジョルフェムよりも今は一番。


諒の腕の中で迎える朝も、甘いキスも、ドキドキするように身体を重ねることも全部が大好き。