「…うぅっ、さ づ ぎ~」



涙が一気に溢れてきて優しく温もりのある皐の胸で思いっきり泣いた。


落ち着いたのは30分たってからだった。



「あ〜ぁ、俺の服が里依の涙でビショビショじゃんか。」

「ご、ごめん。」

「別にいいよ。で、どうかした?」



言うべきなのか、
でも今更言ったとこで何も変わらないけど。



「透麻ね、末期の癌だったらしいの。」

「…は?」



あたしも言われた時意味がわからなかった。
実際、今でもわからない。


どういう気持ちで、あたしの身代わりになり撃たれたのか。