「よぉし、よし!」 まん丸顔にニッコリと笑顔を浮かべた金子教頭が、短い手足を上機嫌に振りながら、扉の前まで歩いて行った。 さっきの脅迫(きょうはく)じみた目が、まるでウソみたいに消えている。 「では私はこれで。例の生徒に話してきます!」 そう言うと、教頭は鼻歌を鳴らしながら、ルンルンと校長室を出て言った。