つけ終わるのをライトが確認すると、パチパチと手を叩いた。
「おめとうございます、ウィンくん」
「…くん付けキモイ。呼び捨てで構わないぜ」
「そうですか?では、お言葉に甘えて」
あたしは、ウィンの前へスッと手を差し出した。
「改めて…ようこそ、カルム城へ。歓迎するわ。ウィン」
少し考えたように、ウィンはあたしの手をとり、唇へあたしの手の甲を近づけた。
「よろしく、ヒメサマ?」
「ひっ、ひゃあぁ何すんのッ!!」
手の甲に柔らかい感触を感じてしまい、あたしはバッとライトの後ろに隠れる。
それを見たウィンは、にやっと不敵な笑みをあたしに向ける。
「…ただの挨拶だけど?」
「くっ…」
ウィンを補佐に選んだことを、早くも後悔し始めたあたしに、ライトが言った。
「姫様、デュモル隊長が仰ってたこと…」
「あっ、そうだった!真面目に聞いて、ウィン」
「…何その俺がいつも真面目に聞いてないような言い方」
あたしはその一言を無視して、デュモル隊長から報告を受けたことを、ウィンに説明した。
説明を終えると、ウィンは「ふーん」と言って、右手で前髪をくしゃっとかきまぜる。