「…あのですね、あたしは候補者のPRとか聞いて、補佐選ぶんですよ?」
「PRなんて聞いてどうするんだよ。良いとこしか言わねぇに決まってんだろ?補佐が王に合わせればいいだけだろ」
…なんて口が悪いの…
「…そしたら、あたしはあなたのこと何もわからないじゃない」
「こうやって話してればわかるだろ?俺がどういうヤツかなんて」
そう言われてみれば、確かにそうかも。
今までの四人だって、話し方とか、雰囲気とかで、どんな人か想像出来た。
「俺が一人でぺらぺら話したって、あんたは俺に対して質問しかしない。俺にだってあんたのこと知る権利くらいあるだろ」
「…わかった。それなら、あなたもあたしに質問していいわ。普通に話しましょう」
何だかガキ大将と話してる気分になって、あたしは敬語を使うのを忘れた。
「次の質問ね。二つの案があって、あたしが一つの案しか受け入れない。もう一つの案は廃案だ、って言ったら、あなたはどうする?」
ウィン(もうこの際呼び捨て)は、腕を組みつつ答えた。
「この案のメリット・デメリットを考える。デメリットの少ない方の案を取る。両方使えそうなら使う。だめそうならWで廃案だな」


