名のない足跡


「そうですね…まずは王が受け入れた案を会議し、即行動に移せるよう、各部の連携を大切にしたいですね。そして、その案が実を結ぶよう、私は徹底的にサポート致します」


そうしてくれたら嬉しいなぁ、と思いつつ、最後の質問を口にする。


「最後に、もしあたしが重要な仕事で国を数ヶ月離れるとして、後を頼まれたら、あなたはどうしますか?」


こんなこと実際になったらあたしどうしよう、とか思いながら、クラウドさんの答えを待つ。


「王が国を出るとなれば、他国の侵略を受けやすくなります。国内、城内共に警備を強化したいですね。王が戻っていらした時、国が壊れていないよう努めます」


「はい、ありがとうございました。退室なさって結構です」


クラウドさんは失礼しました、と部屋を出た。


あたしはメモ用紙にクラウドさんの答えをメモし、次の人に声をかける。



二人目は、あたしより五つぐらい年上の青年。


明るくて、質問に対してぺらぺらとよく喋った。



三人目は、唯一の女の子で、あたしと同じくらいの子。


大人しくて、常にマイペースで質問に答えてくれた。