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「ふぁ、何か寝不足かも」
ついに戴冠式が行われるという当日の朝、あたしはいつも通りの時刻に目を覚ました。
昨夜、セドニー長官とデュモル隊長が訪れてきた後、話は脇道に逸れ、くだらない話(噂話などなど)に花が咲き、気づいたら夜明け間近だった。
けれど、昨夜で二人とはだいぶ打ち解けたと思う。
そのことが、あたしの気持ちを軽くした。
それと同時に、あたしは不思議に思った。
あたし…自分が王になるってこと、知らないうちに自覚してる?
それがいいことなのかはわからないけど、父様が死んだ、ということを、認めているのは自分でもわかった。
「父様…」
父様が自殺したと聞いて、あたしは驚いた。
愛想を尽かされたのか、と泣きそうにもなった。
でも、ライトから聞いた話によると、父様は"死ななければならなかった"らしい。
少なくとも、自分が王になれば、その理由がわかるかもしれないと思ったし、直感的に、いずれその真実と向き合うときが来る気がした。
あたしはぶんぶんと頭を振って、頬を両手でぱし、と叩く。
「しっかりしろ、あたし!そんなんじゃこの先やってけないわよ!!」
「その意気です、姫様」


