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「ちょっとそっち!もちょっと寄ってよっ」
「んなこと言ったってー狭いよ?案外」
さて、あたしたちは無事ウェルスに着いたのか?
…着きました。
ただ、これまた現れた場所が何というか。
城の敷地内に入ったはいいものの、衛兵がうじゃうじゃ。
慌てて近くの茂みに隠れたはいいけど、狭くって狭くって。
衛兵がそばを通る度に、見つかるんじゃないかってヒヤヒヤ。
こんなんじゃ、ここから動けやしない。
「どうしようアズロー!」
「うっわごめん、オレ案とか思い浮かばないから」
「…ですよねー」
小声で会話しつつも、しっかりと目を見張るあたし。
夜だからって、見張りいすぎ。
カルム城なんか、ここの半分も見張りいないわよ!?
これじゃ、まるで…
「…襲撃を恐れてるみたい」
「襲撃?」
そうかもしれない。
…だとしたら…?
あたしは、今回持ってきた小さなバッグから、紙を取り出し、近くの石を拾ってそれに巻きつける。
アズロがそれを不思議そうに眺めた。


