名のない足跡


「姫さん」


「…デュモル隊長」


デュモル隊長が一歩前に出て、あたしに話しかけた。


「…俺たちはこうやって見送ることしか出来ねーけど、みんな気持ちは一緒だからさ」


だから、とデュモル隊長は拳をつくり、あたしに向けた。


「俺らの代わりに、あいつぶん殴ってきてくれよ」


あたしは何だかおかしくなって、笑った。


止められるどころか、背中押されちゃった。



…やっぱりね、ライト。


あなたが抜けた穴は、大きいんだよ。


だからあたしは…会いにいく。


「あ、オレも行くから」


「え!?」


突然アズロにそんなことを言われ、あたしは思い切り眉根を寄せる。


「忘れたの?オレ、元ウェルス臣下。城内把握してるよ」


「…迷惑かけたくなかったのに」


「だーいじょぶ。迷惑なんて思ってないからさ」


アズロのこの笑顔、どーしても憎めないのよね…。


そのときあたしは、この流れでいくと、まさかウィンももれなくついてくる!?と思い、後ろを振り返る。


…と、目が合ったウィンは、久々に不敵な笑みを浮かばせた。