名のない足跡


決意を挫かれる前に、何とか逃げなくちゃ!


…と思ったけど無理で。


しっかりとアズロに腕をつかまれたあたし。


「補佐くーん、ど?」


「な、何が?」


アズロまでもがあたしをさらりと無視し、ウィンの返事を待つ。


「オッケーっぽい。行こ」


「へ?だから何ッ!?」


あたしは二人に引きずられるようにして、城外へ出た。


そこには、信じられない光景が広がっていた。


「……な…んで…?」


中央広場に描かれた、魔方陣。


そこでどんと立ち構えているのはロズで、さらにその周りには…


「兄様…アゲートさん…何でみんなっ」


各部の高官位の人たちがずらりと並んでいた。


わけもわからずただ瞬きを繰り返すあたしの肩を、アズロがぽんと叩く。


「オールスター勢ぞろい★なんちゃって」


「…なんちゃってじゃないわよ…」


苦笑いのあたしの頭を、今度はウィンがぺしっと叩いた。


「あんたの考えなんか、他に筒抜けってことだよ」


「………くぅ…」


「可愛かねぇぞ」


何て失礼な。