デュモルはポリポリと頭をかくと、あからさまに目線をあさっての方向に向けながら話し出した。


「…あー…、まぁあれっスね。アンタのことずっと…恨んで…憎んで?悪かったっつーか…」


隣で聞いていたセドニーは、イライラと頬をひきつらせた。


「…何つーかですね、あー…」


「ええいッ!! 女々しいぞデュモルッ!! 男らしくはっきり言えっ!!」


ついにぶち切れたセドニーが、先程の仕返しと言わんばかりに、デュモルの背中を思い切り叩く。


数歩前によろけたデュモルは、初めてと言っていいほど、しっかりと墓石に刻まれた名前を見た。



体制を立て直し、デュモルは大きく息を吸い込み、叫んだ。



「すいませんでしたっ!! キラ長官!!」



それは、不器用なデュモルの、精一杯の謝罪だった。


「…お前にも、迷惑かけた。セドニー」


突然の出来事に、セドニーは一瞬怯みつつも、精一杯微笑んで、今度は軽くデュモルの背を叩いた。