オレはさ、ウェルス国の隅っこの…貧しい村の貧しい家に生まれたんだ。
たいした取り柄もなかったオレは、親父に心配だからって言われて、無理矢理護身術教えられたんだよね。
せっかく教えてもらってるんだし、もしかしたらオレ、将来ビッグになっちゃうかも!?とか思って、真面目に習ってたわけ。
…親父が死ぬまではね。
あ、そんな顔しなくていいから。
カコ引きずるタイプじゃないし、オレ。
護身術習って五年後に、親父が死んだ。
それからオレは、教えてくれる人がいなくなったもんだから、やる気なくなって、でもダラダラとは一人で続けてさ。
そんときからかなー。面倒くさがりになったのは。
人間いつか死ぬんだから、努力してもイミないじゃん?って思ってた。