ライトの動きは、素早かった。



一瞬にして、ライトはあたしを庇うように、アズロとの間に割り込んだ。


あたしには、ライトの背中しか見えなかったけど、ライトが緊張してるのがわかった。



「…そんなに警戒しないでよ、隊長」



そのアズロの声が、いつもと全く変わらなかったので、あたしは少し安心した。


でもライトは、一歩も動かず、緊張を帯びた声でアズロに問いかけた。


「…姫様に、危害を加える気は?」


「ないね。全く。…って言っても、信じてもらえないか」


うーん、と唸るアズロに対し、ライトは数歩下がり、あたしの横へ並んだ。


「…いえ、信じますよ」


「へっ?」


「嘘つけないでしょう、アズロは」


ポカンとしてるアズロを見て、あたしは「あ、確かに」と同意した。


「確かにって…。ついてたじゃん、オレ」


「でも、話してくれたじゃないですか」


「そ、そりゃそうだけど…。どーすんの、もしこれが演技で、とりゃー!ってオレが姫サマに襲いかかったら」