突然の出来事に、あたしの思考回路は追いついていけなくて、ただ「あ」とか「え」とかいう言葉を、切れ切れにしか話せなかった。
そんなあたしを見て、ウィンがあたしの腕を引っ張った。
あたしは、自然とウィンに抱きしめられる形になる。
「…ちょっ、と、ウィン?」
何とか声を振り絞ったのに、ウィンは何も言わず、ただあたしを強く抱きしめるだけだった。
「…ウィン、ってば…やっ、放してっ…」
おかしいよ。
どうしちゃったの?
ウィンの腕の中でもがいても、何の意味もない。
自然に、涙が溢れてくる。
「―――…ッ、ライトッ…」
「やっと言った」
………はい?
今度はアッサリとあたしを放したウィンが、しれっと言いはなった。
「あんたさ、この状況でアイツの名前呼んだ意味、わかんねぇ?」
「な、何…」
この状況に全くついていけなくて、あたしはポカンとするばかり。
「あんた、護衛隊長のことが好きなんだよ」
いつの間にか、ウィンはいつもの不敵な笑みを浮かべていた。
―って、え?
あたしが…ライトを?