少し残業はしたが、割と早く上がれた。
いつもよりしっかりと化粧を直して会社を出た。
足取りは軽い、と思った。
駅に近づき、仲の良かった男友達の番号をケータイに表示し、私の足は止まった。
指は動かなかった。コールできなかったのだ。
私は自嘲ぎみに笑った。
人の多い特急電車に乗る元気はなく、がらがらの普通電車にのり、ぼんやりと窓の外の景色をみつめていた。
君が禁じた夜遊びは、男友達と遊ぶことは、君が私を手放してもなお、私の中で生きている。
もう君とは関係ないのだから、悪いことではない、そう頭ではわかっても、どうしてもセーブがかかってしまう。
とてつもない罪悪感。君と関係をもつことの数百倍の罪悪感を覚える。
たんなる習慣ではないことは、すぐにわかった。
好きなのだ。君のことが、こんなに悲しくて絶望的であっても、嫌われていても、すてられても。
私がかかわっていい男性は君だけ。嫉妬深い、君だけ。
他の男性と飲みにいくなんて、昔は禁止されて束縛も信用されていないのもとても嫌で反発していたのに。
君に見捨てられても、その束縛から逃れられない。
君を裏切ることなんかできない。
電車の中なのに、涙がこぼれた。あわててうつむいて、次の駅で降りた。
いつもよりしっかりと化粧を直して会社を出た。
足取りは軽い、と思った。
駅に近づき、仲の良かった男友達の番号をケータイに表示し、私の足は止まった。
指は動かなかった。コールできなかったのだ。
私は自嘲ぎみに笑った。
人の多い特急電車に乗る元気はなく、がらがらの普通電車にのり、ぼんやりと窓の外の景色をみつめていた。
君が禁じた夜遊びは、男友達と遊ぶことは、君が私を手放してもなお、私の中で生きている。
もう君とは関係ないのだから、悪いことではない、そう頭ではわかっても、どうしてもセーブがかかってしまう。
とてつもない罪悪感。君と関係をもつことの数百倍の罪悪感を覚える。
たんなる習慣ではないことは、すぐにわかった。
好きなのだ。君のことが、こんなに悲しくて絶望的であっても、嫌われていても、すてられても。
私がかかわっていい男性は君だけ。嫉妬深い、君だけ。
他の男性と飲みにいくなんて、昔は禁止されて束縛も信用されていないのもとても嫌で反発していたのに。
君に見捨てられても、その束縛から逃れられない。
君を裏切ることなんかできない。
電車の中なのに、涙がこぼれた。あわててうつむいて、次の駅で降りた。

