甘く、温かいドリンク

甘い、温かい。

ああ、そうだった、これは、君を表す言葉だった。


甘く、劇的に甘く、私を愛する君。
その手も、肌も、人間の熱に加えて、私だけが感じ取れる、不思議な温かさがあるのだ。
私のための温かさなのだ。


甘い、温かい、君。

愛し、愛されて、満たされて、すぐに悲しくなり、辛くなり、寂しくなり、恨む。

幸せかと問われれば、答えに窮する。

そんな恋、捨ててしまえばいいのに。



人は条件で恋をするわけじゃない。
条件で愛する人を決めるわけじゃない。

運命なんて信じない。神も魂も前世も信じない。

どんな心理的からくりが働いているのかなんて、当事者の私にはきっと一生わからないんだ。



答えはいつも単純だ。

私は君を愛している。嫌われても、愛している。甘く、温かい、君。





ケータイを手にした。
久しぶりに君にメッセージを書く。

もうさようならだとしても、私はお礼を言いたい。
最後に少しだけ話がしたいです。


返事がこなくても、いいと思った。
私は、ただあなたに今までの感謝がいいたかった。
言えなくても、そういう気持ちでいることだけでも伝わればいいと思った。
いつもひどい言葉で責め立てたりするけれど、もうそんな気持ちじゃないことだけでも、君に伝わればいいと思った。