真心を あなたに






「そうか」


空鶴はそれ以上、殆ど言葉を発しなかった。


そして、食堂でご飯を済ませてから、

悠は無理やり保健室に連れて行った。


「寝ろ」


「いい加減に…」


「寝ろっつってんだよ」


悠は本気で怒っていた。


妙にしっかりご飯を食べたせいで、眠気が凄まじい。


保健室の先生は、2人のやり取りをみながら苦笑し、


「じゃあ預かるわね」


と言いながら、悠を退出させた。



「菴谷(いおりや)君、顔色悪いわね。

とりあえず熱を測ってみて」



保健の先生は、そっと体温計をわたす。


「元々顔色はよくないんで。」


色素が薄いから、と小さく言い付けると、
先生は、再び苦笑した。



「そういう意味じゃないわ。

貧血でお顔が真っ白よ。熱は…ないわね。

ちゃんと食べてる?寝てる?

あら。それと、タバコはダメよ。」


タバコを吸っていることが一瞬にしてばれたのが虚をつかれたが、

はい、と大人しく頷いた。


眠い。やたらと眠い。


「そこのベットが空いてるわ。1時間ほど寝てなさい」


言われるがままにベットに横になると、直ぐに眠りに落ちた。