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「空鶴(あず)、大丈夫か?」
おーい、と眼の前で手を振るのは、
幼馴染の悠(ゆう)だった。
「え…?あぁ」
我に返ってこめかみを揉みほぐす。
カンナを送り届けた後、支度をして、殆ど眠らずに高校へと向かった。
寝不足がたまってきて、いよいよ身体が重い。
「昼休みだぞ。メシ食いにいこうぜ」
悠に肩を掴まれながら、教室を出た。
「お前さ、無理しすぎなんじゃねーの?最近殆ど寝てないだろ?」
悠が声を落として、真剣な口調でいう。
「そんなことない」
「お前と何年の付き合いだと思ってんだよ。
ひどい顔色してるぞ、いま」
「もともと顔色は悪い」


