『…ちゃんを甲子園に連れていく』

こんな臭い理由があって野球部に入ったんじゃなくて、小さい頃からただ、ボールを投げるのが好きだったから入った。




「高木、甲子園に絶対出場しような!」

今、目の前に熱く甲子園について語っている人がいる。

彼の名前は、成宮晴(なるみやはる)。

女みたいな名前だけど、埼山高校野球部では珍しい一年生レギュラーで、サードを守っている。

背番号5で打順は一番。

「俺、ただ投げれるだけでいいんだけどなぁ…」

そして俺は成宮と一緒で埼山高校野球部一年で、ピッチャー。

背番号11で打順は……うん。それは試合に出れたらの話だ。

高木陽(たかぎひなた)。


それぞれ、この高校には野球で入ったんだけど、今日は練習がないので教室に溜まっている。

残念ながら、担当の先生が今年になって代わって、火曜日と木曜日は部活が休みになった。

基本的に教えてくれるのはコーチだが。


だから、週に二回、ボール投げたくなる症候群に追われる。


「よーし、今日も行くか!」

「…んー」

だから、いつも部活が休みの日は、チビたちがやっている草野球チームのところに遊びに行くことになっている。

成宮も馬鹿なくらい野球好きなのである。